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「わが闇」 

前に予告していた通りnylon100℃「わが闇」公演のこと。
稽古開始直前まで全く真逆と言っても過言ではない作風の
「犯さん哉」という作品をケラさんと創っていたので、
とてもギャップがあっただろうと数ヶ月前を振り返ってみるが、
さほどそのような印象は無い。
打ち合わせは「犯さん哉」公演中から少しづつ進めていて、
ケラさんとの打ち合わせでは既におぼろげながらも世界観は
何となく感じ取れていたからだと思う。

「わが闇」はいつものnylon100℃の公演と比べて、
構成や設定や仕掛などに求められるトリッキーなことが割と抑えめな公演でした。
強いて言えば演出映像、あと舞台の傾斜。

あの傾斜は第一回美術打ち合わせからケラさんが要望していたこと。
正確には美打ちが始まる前から相談されていたことでした。
打ち合わせでケラさんは具体的にどう傾斜したいとかは言わない人、
・・というか確定できていない。それらの具現化アイデアは僕らスタッフに委ねらる。
ケラさんはあえて漠然としたイメージを伝えてくるのみ。
もちろん遅筆で知られるケラさんだからプランの段階では
脚本なんて1枚もありません・・・。
もし脚本やプロットでもあればとても創造がラクなんですが、
何を材料に考えを始めればいいのか取っかかりがない。
もうケラさんが漠然と口にする言葉のオモテからウラまで読み取り
探っていくしかないのです。
これはとても重大な責任なわけですよ、だってあの傾斜だって
物理的にはいかようにも出来るわけですから。
もっと急勾配に傾斜させることも、もっとバラバラに大胆に分割することも。
そのような可能性を全て検証し最終的に作品に沿うようになることを
目指して作業を進めていかなければならない。
脚本の完成を待っていたら稽古も出来ないし発注も間に合いませんからね。

で、僕が今回進行したのがカタチがあのような傾斜です。
ケラさんの文字では無く言葉の雰囲気だけを材料に。
なんせあのプランを進行させている段階では、
登場人物さえ決まってませんでしたからね・・・。
そんな中まず僕が言葉を聞いて必要だと思ったことは、
気付かない人もいるくらいの緩やかな傾斜。
垂直に立っている筈の構造物が「少しだけ傾く」そのくらいの不自然さを
産み出せれば、見ている人に違和感を感じさせることが出来るんじゃないだろうかと。
出来れば音も無く動きもなく、視覚的にもハッキリ分からずに
やることが出来ればいいなと考えていました。
「視覚的な作用を出来るだけ認識させずに心理的に作用させる」
そんな舞台の動かし方の試みでした。

で、僕がセレクトした方法は手動。
当初は油圧のリフターを8台入れて昇降させようとも考えていました。
まぁ手っ取り早いですからね、鉄骨で土台を組んでリフターかませれば
昇降はボタンでできるわけですから。
でも、その案は打ち合わせ前に早々に廃案にしました。
なんか、そうじゃない。
こう台詞や間(ま)に合わせながら昇降させる。
それが大事だと考えていました。
電動だとどうしても機械的な動きになってしまいます。
だから廃案。
鉄骨製作打ち合わせでその旨を営業さんに伝えると
やはりリフターを出された後に、ちょっと渋い顔をされて
一応設計に相談してみるとの返答。
うっすら考えていた大型車用の油圧ジャッキを使ってみるのはどうかと
提案してみる。
翌日に営業さんから電話が掛かってきて
「油圧でやってみる」と方針が固まる。

そうあの傾斜は油圧ジャッキで動いていたんです。
前傾斜部分で多分2トン後ろで4トンぐらいの重さがあったのではないか。
でもジャッキなら軽々。
それぞれ2台づつの計4台を4人で上げていたんだけれども、
僕は座ったまま操作していたし、手を伸ばせば1人で2台も出来た。
地方の場当たりでは毎回昇降シーンを稽古していました、
確か広島でかな?そのシーンの稽古をしていたら
袖に坂井真紀さんが僕らを見学に近づいて来てました。
僕はそれを見つけて「はい、やってみて」とやってもらいました。
あの小柄な坂井真紀さんでもスイスイ動かせてましたからね。

うん、長いこと書いた。
今日はここまで。
・・・・・なんかネタバレというか事情を書きすぎ?
わかんないからいいか。

明日は「どん底」の美術打ち合わせ。
う~ん。


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[ 2008/02/08 04:31 ] 個人 | TB(0) | CM(2)
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